少しでも楽して痩せたい!ダイエットが長続きするコツ100選

寝る前に食べると太るという話
それはただの迷信だったりします

夜食べると太るのはウソ?2

ダイエット4ヶ月目

83:夜間は副交感神経が代謝を抑制するから痩せない?

わたしたちの身体には、意識せずともきちんと正しく動いてくれる働きがあります。呼吸や血流、消化、吸収などがそれに当てはまり、これらを司る神経を自律神経と呼んでいます。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、交感神経が活動中や緊張中に働くのに対し、副交感神経は休息中や睡眠中に働きます。

副交感神経が優位なときは代謝を抑え、栄養の吸収が促進されることから、食べてすぐ寝てしまうと副交感神経が働いて栄養を吸収し、体内に脂肪として溜めこみやすいので太るという理論です。

ナイトスタンド

なるほど確かにそれっぽいですよね。
しかし話はそんなに単純ではありません。上記の概念には消化吸収のタイムラグという観点がすっぽり抜け落ちているのです。

摂取した食べものはおもに小腸で栄養が吸収されます。食べものが胃を通過して、さらに小腸に届いて、そこでようやく吸収されるわけです。

そもそもまず胃で消化するだけでも、結構な時間がかかります。炭水化物とたんぱく質は別の消化酵素で消化され、消化スピードも異なるため、一度に全部消化できるわけではありません。
まして食事では一度にさまざまな栄養素を摂り入れます。すると消化時間はどんどん延びて行きます。早くても4時間、肉を多めに摂った場合は20時間以上かかることもあるのです。

そしてようやく吸収の舞台である小腸の登場となるわけですが、小腸での吸収だって一瞬で終わるわけではありません。7時間から9時間ほどかかります。

時計

コレを踏まえて、例えば19時に夕食を摂り、0時に就寝し、朝まで何も食べず、最短の4時間で消化してしまった場合、果たしてどうなるでしょうか。

栄養素の吸収は食事した4時間後の23時から始まるので、ちょうど寝ている時間がまるまる吸収するだけの時間になってしまいます。副交感神経が働いて栄養を吸収し体内に脂肪として溜めこみやすい時間と、消化が終わった食べものの栄養が吸収される時間がぴったり合致するという、まるで正反対の皮肉な結果になるわけです。
これならば逆に寝る前に食べてすぐ寝たほうが、寝ている間の栄養吸収時間が却って少ないことになりますよね。

このように消化吸収のタイムラグを考えれば、夜寝る前に食べたものがすぐに脂肪に変わるというのは間違いであるということになります。

84:夜間はBMAL1が増えるから痩せない?

BMAL1(ビーマルワン・Brain and Muscle Arnt-like 1)とは、時計遺伝子の一つであり、脂肪細胞をつくる酵素を増やす働きがあるタンパク質であるとされています。特に22時から深夜2時ごろにかけて活発化して脂肪を蓄積するのだそうです。

それゆえにBMAL1が活発に働く夜遅くに食事をすると太りやすくなるのだという理論です。

居酒屋メニュー
▲夜遅くの居酒屋は危険!?

これもまたTVなどで何度も取り上げられて有名な説ですが、なにせ未だ研究途上の説でしかありません。
マウス実験で得られた結果では、22時から深夜2時の間で、BMAL1の量が最も少ない15時の約20倍に達したことから、まるで22時以降に食事を摂ると15時に摂るよりも20倍脂肪が増えるかのような錯覚を覚えてしまいます。しかしそうです、錯覚です。

BMAL1が20倍になったからと言って、BMAL1がどれだけの脂肪を溜めこむかはナゾです。母数が極端に小さな数字なら20倍したところで高がしれていますし、そもそもマウスで得られた数値や実績がそのままヒトに適応できるかどうかもナゾなのです。

ちなみに遺伝子を操作して、BMAL1を機能させなくしたマウスを作ったという実験もありました。BMAL1が機能しないということは、脂肪細胞を作る酵素が増えないということになりますが、そのマウスに高脂質の餌を与え続けたところ、やはり体重が著しく増えたという結果になっています。
結局、BMAL1が機能しようが機能しまいが、カロリーオーバーすれば太るということです。

85:夜食べると太るのはウソ?

夜食べて寝ると太る4つの理論を否定してきましたが、「実際に夜食食べてから寝てたら太った」という人もいるでしょう。
理由としては、夕食食べて夜食も食べて…のように単純にカロリーオーバーしていることが考えられます。

そもそもヒトの身体は物理法則から逃れることはできません。エネルギー保存の法則(熱力学第一法則・ある状態から別の状態へ移動するとき、与えられた力学的仕事と熱量の和は常に一定となる)は、当然ダイエットにも適用されるのです。

クッキーとマフィン

朝食べようが昼食べようが夕方食べようが深夜に食べようが、一日の総摂取カロリーが総消費カロリーを上回れば太ります。下回れば痩せます。
しかし、これはあくまでも単純な事実を提示しているだけであって、夜寝る前に食べることを推奨しているわけではありません。

寝る前に食べると胃がもたれるとか寝付けなくなるといった人は、当然ですが深夜の食事は避けて早めの時間に夕食を摂り、就寝まで時間を空けるようにしましょう。

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