少しでも楽して痩せたい!ダイエットが長続きするコツ100選

深夜の食事は太るという話は
実はまやかしの論理だった

夜食べると太るのはウソ?

ダイエット4ヶ月目

80:夜遅くに食べると太ると言われる理由とは?

「深夜に食事すると太る」

ダイエットをしていなくてもよく耳にする言葉ですよね。
「お腹が空いて仕方ないけれど、こんな時間に食べちゃうと毒だから我慢我慢」と、ぐうぐう鳴るお腹を抱えてじっと空腹に耐えながら就寝するのもちょっとしたストレス。お腹がすいて眠れない!とこぼす人もたくさんいることでしょう。

夜の部屋

夜遅い時間に食べると太るという話は、まことしやかに浸透していますが、その根拠として以下のような理由が挙げられています。

●夜間は食事誘発性熱産生が少ないため痩せない。

●夜間は副腎皮質ホルモンの分泌が少ないから痩せない。

●夜間は副交感神経が代謝を抑制するから痩せない。

●夜間はBMAL1が増えるから痩せない。

どれもものすごくそれっぽいです。
ではそれぞれの説について、その真偽を順を追って見て行きましょう。

81:夜間は食事誘発性熱産生が少ないため痩せない?

食事誘発性熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)とは、食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。辛い物を食べたわけでもないのに、普通の食事をしただけで身体が暑くなりますが、これは食事という行為でエネルギーを消費しているからです。

この食事誘導性熱産生は、朝が最も多く、夜になると少なくなるとされています。それゆえに夜遅くに食事をすると、エネルギー消費量つまり消費カロリーが少なくなるので夕方に食事をするよりも痩せにくいという理論です。

ソーセージパン
▲夜食べるより朝食べたほうが痩せる?

一般的に食事誘導性熱産生は摂取エネルギーの5~10%と言われています。1割って結構デカイ!と思いそうですが、夜摂取した場合と朝摂取した場合のその差はごく僅か。もはや誤差の範囲内と言っても良いかもしれません。

例えば体重60kgの人で、夜型の食事(13時、19時、1時)と朝型の食事(7時、13時、19時)における1日の食事誘導性熱産生は、夜型39.24kcalに対し、朝型で52.68kcal。つまり夜型と朝型は1日でわずか13.44kcalしか差がありません。
体脂肪を1kg減らすための消費カロリーは約7,200kcalとされていますので、7,200kcal÷13.44kcal=535日。つまりこの方法では体重を1kg減らすのに1年半かかることになります。

あなたはわずか1kg減のために1年半もの間、夜中の空腹の苦痛に耐えられますか?
「夜遅い時間に食べると食事誘発性熱産生が少ないため痩せない」という説はまったくもって無意味な話なのです。

82:夜間は副腎皮質ホルモンの分泌が少ないから痩せない?

続いて「夜間は副腎皮質ホルモンの分泌が少ないから痩せない説」です。

副腎(ふくじん・腎臓の上にある臓器)の外側の部分である副腎皮質から分泌されるホルモンのうち、炭水化物・脂肪・タンパク代謝を制御するコルチゾール(cortisol)は、体内時計により朝に多く分泌されて夜寝る前に最も少なくなります。コルチゾールは交感神経を活発化、血糖値を上昇させ、また脂肪を燃やす働きもあります。

つまり、夜、空腹時に寝ればコルチゾールが脂肪を燃やしてエネルギーに変えてくれるのに対し、食事をしてすぐ寝てしまうとコルチゾールが脂肪からではなく食料から優先的に燃焼してしまうので痩せにくく太りやすくなるという理論です。

眠る女性

「なるほど!じゃあコルチゾール分泌が少ない夜じゃなくて、分泌が多い朝にしっかり食べたほうが脂肪を燃やしてくれる」と、思ってしまいそうですが、コルチゾールが脂肪よりも食料を優先して燃焼させるのは朝だって同じことです。

またコルチゾールの分泌は入眠すぐは非常に少なく、じわじわ分泌量を増やして起床後に最大を迎える性質があります。つまり睡眠時間の前半部分でコルチゾールによる脂肪燃焼を期待することにあまり意味はないのです。
そして睡眠時間の後半部分ともなれば、たとえ就寝前に食事を摂ったとしても消化がそれなりに終わってしまっています。
要は夕方食べて寝ようが、深夜に食べて寝ようが結果は大差なしということです。

夜食べると太るのはウソ?2