
91:そもそも血糖値って何?
CMなどでよく耳にする「血糖値が気になる人に」といったコピー。
このサイトでも「食べ順ダイエット」のページなどで「血糖値の急上昇が抑えられます」という感じで血糖値について軽く触れていますが、そもそも血糖値って一体何なのでしょう。
血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことです。この濃度はおおよそ一定の値で保たれていますが、体内にブドウ糖が供給されると当然にして血液中のブドウ糖の濃度が上がります。これが「血糖値が上がる」ということです。
ブドウ糖の供給とは、つまり食事。食事をしない空腹時では血糖値は70~110mg/dlで保たれ、食事をすると140mg/dlくらいまで上昇し、時間が経つと再び下がって行きます。

血糖値が上がった状態を高血糖と呼び、高血糖が続くと糖尿病になりやすくなります。糖尿病は血管における合併症を招き、失明、腎臓の障害、神経障害、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞になる恐れを非常に高める、みなさんご存じの成人病。
とはいえ通常、私たちの身体には血糖値が上がると自然に値を下げてくれる働きがあり、インスリンというホルモンがその役割を担ってくれています。通常と書いたのは、インスリンの分泌量が低下したり、働きが悪くなることがある(=糖尿病)ためです。
通常、インスリンは血糖値を下げる過程において、血液中のブドウ糖を細胞の中へ取り込まれるよう働きかける作用、ブドウ糖を貯蔵しておくことができる物質である動物性のデンプン「グリコーゲン」に変えて肝臓や筋肉に蓄積する作用を持っています。
そしてさらにもうひとつ、インスリンの作用にはダイエットに深く関係するものもあるのです。
92:インスリンの働き
実はインスリンには肝臓で蓄積しきれずに余ってしまったブドウ糖を、中性脂肪として脂肪細胞の中へ取り込む作用もあります。要はせっせと脂肪を作り出す手伝いをしているわけです。
そしてインスリンの分泌量は、血糖値の上昇具合に左右されます。血糖値が急激に上昇すると、そのぶんインスリンも多く分泌。
つまり「大量のブドウ糖が供給される→血糖値が急上昇する→インスリンが多く分泌される→ブドウ糖を中性脂肪として取り込む」という流れになってしまいます。
よってダイエット的な観点から見れば、太らないためにはインスリンを多く出させないことが必要になって来るワケですね。そしてインスリン分泌を抑えるためには、血糖値を急上昇させないことが肝要になるのです。

93:インスリンのことは無視して良い
とはいえインスリンの分泌はブドウ糖だけでなく実はタンパク質からでも「多量に」促進されますし、インスリンが糖を脂肪に変えて肥満を促進することに否定的な見解を持つ研究者もいます。
いくつかの臨床実験の結果、インスリンの分泌量と体脂肪の減少との間には関係性を見いだせなかったため、インスリンの分泌量を重要視してダイエットすることはあまり意味がないという結論を導き出した研究もあります。
さて…前項とは全く逆の結論が並んでしまいました。
じゃあ、どうすればいいの?と思いますよね。
かつて触れた「糖質制限ダイエット」では、「タンパク質と脂質は食べ放題ということになっています」という前提になっています。しかし上記の理論に基づけば、タンパク質と脂質食べ放題!という美辞麗句はウソということになりますね。
もちろんこれも「糖質制限でも痩せない?」の項目で述べているとおり、人間の身体は質量保存の法則から逃れることはできず、自身の消費カロリーを超えたタンパク質・脂質を過剰摂取すれば太るのは当然です。

仮にインスリン分泌量を考慮しながらダイエットをすることが全くの無意味だったとしても、血糖値の急上昇は好ましい事ではありません。先述のとおり糖尿病移行の問題があるからです。
ですのでダイエットを主眼とした食事は、「将来糖尿病にならないための予防策としての食事という要素」を加味しておこなう、という手法が最も健康的だと言えましょう。その要素とはもちろん、血糖値を急上昇させない食事のことです。